1978 -アラフォーからの一生モノ探しー

アラフォーのオッサンが自分のスタイルを探し続けるブログ。

神戸の名店COL(コルウ)で仕立てたビスポークスーツをご紹介。

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今回は日本が誇る名店「COL(コルウ)」で仕立てたビスポークスーツをご紹介。先に申し上げますが素晴らしいスーツです。時間はかかりましたが、その時間も含めて楽しむことが出来ました。

 

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オーダーしたのが2021年3末でした。

仮縫い(2021年7月)、中縫い(2021年10月)と進めてきて、今回は納品ということで試着したうえで引き取ってきました。

神戸近辺にお住いの方であればもう少しスピーディーに進むのかもしれませんが、斉藤さん。の場合はトランクショーに合わせての進捗。

 

でもこのくらいゆっくりで良かったと感じています。

ビスポークだけでなく所謂「オーダー」と言われるものは待っている時間も楽しいものです。仮縫いから中縫い、そして仕上がりという経過をスーツの変化とともに楽しめて幸せでした。

 

 

最高峰のビスポークスーツをご紹介。

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※こちらの写真はCOL齋藤力様からご提供いただきました。

 

ブラウンのヴィンテージトニックで仕立てたスーツ。

ブラウンといってもレンガ色を淡くしたような色味で好き嫌いがわかれる生地だと思います。斉藤さん。としては気に入っていますし、自分に合う色味だと思っています。

ヴィンテージの生地なので見方を変えると売れ残りと言えるのかもしれませんが、そのおかげで手元に来ることになったのでラッキーでした。

 

今回のビスポークにあたってジャケットは特に指定せず「おまかせ」となっています。強いていうなら着丈については斉藤さん。の好みで長めになっていると思います。ただそれ以外はコルウの味が出ているのではないでしょうか。

 

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こうやってハンガーに掛けると見栄えしません。

後ほどお見せしますが人が着て初めて映えるスーツです。

 

この写真でご覧いただきたいのは前裾(フロントカット)で、聞いたことがない方へ説明すると、写真下部にあるジャケットの前の裾の部分となります。

ここの開きがほとんどないのが伝わりますでしょうか。

デザインの部分ではありますが、クラシックなスーツは開きが小さい印象です。着用したときも軽快さよりも重厚な印象となります。

 

ジャケット

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襟の雰囲気はこんな感じ。

ゴージラインは高くもなく低くもないと思います。

斉藤さん。が所有しているスーツだとAkamineRoyalLineよりは高く、RING JACKETよりは低いですね。

 

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襟裏はこんな感じ。

ラペルのフラワーホールの下には、しっかりと「フラワーループ」がありました。

当ブログでも再三書いていますが「神は細部に宿る」です。ジャケットの襟を立てて着ることはまずないですし、フラワーループを使うこともないでしょう。

ただこういう細かい積み重ねが全体に表れると思うんですよね。

 

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肩の雰囲気はこんな感じ。

ギャザーなどはなく所謂マニカカミーチャなどではありません。

ビスポークなのでマニカカミーチャにすることも出来ると言ってましたが、特別好きなわけではないので普通にしてもらいました。

良いスーツは肩のイセ込みが多いのか、ふっくらしていますよね。

 

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当然「本切羽」ですしボタンホールも手縫い。

ぷっくりとしたボタンホールが何とも言えず美しいですね。

 

生地の雰囲気も伝わりますでしょうか。

ドーメルのトニックといえばモヘア混の生地でとても有名ですが、このモヘアが良いんですよね。ザラっとしていて上品な光沢があり、張りとコシがしっかりとあります。

春夏の生地の中ではリネンと並んで好きな生地ですね。

 

トラウザーズ

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トラウザーズは斉藤さん。が好きなディティールとなっています。

サイドアジャスター、ワンプリーツ、裾はダブルの5㎝です。

スーツやトラウザーズをオーダーするときはいつもこれ。いつも通り。

 

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ジップフライではなくボタンフライ。
ボタンには糸が巻かれてきちんと高さがあります。

これ実は重要である程度の高さがないとボタンの開け閉めがし難くなります。

 

ジップにすればいいという話しもあります。

正直なところ特別なこだわりはないのですが、手縫いの場合は「手縫いの味」が感じられるポイントにでもあるのでボタンを選んでしまいます。

 

チラッと見えていますが、ブレイシーズ用のボタンを付けてもらいました。

 

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ウエスマン(一般のトラウザーズでベルトを巻くところ)の幅は普通。

ワンプリーツだしサイドアジャスターを除けばなんてことないトラウザーズです。

昨今ではサイドアジャスターが完全に市民権を得ていることを思えばごくごく普通のトラウザーズと言っていいでしょう。

 

でもこれがいいんです。

奇をてらわない上質なトラウザーズこそが末永く付き合えるものだと思うので。

 

着用するとこんな感じ。

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着て最初に思ったことは上品で上質なスーツだな、ということ。

特別何かを主張するわけでもなく、よく言えば「アンダーステートメント」、悪く言えば「何てことない」スーツだと思います。

 

でもだからこそカッコいいと思うんですよね。

スーツは歴史を積み重ねて男性を最もカッコよく見せる服となりました。

余計なことはしなくていいの。斉藤さん。が「ああしたい」「オリジナリティを出したい」なんて考えても先人たちの研鑽を超えることなんて出来ませんから。

 

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見て下さい。この後ろ姿を。

右肩が下がっているというか、左肩が張っているといのか、肩のバランスが悪いのを見事に補正して美しい背中にしていただきました。

文句なし。

 

そういえばジャケットを羽織るときにいつも通りの動作では着られませんでした。

アームホールが小さくカマの位置が高いので、例えば左腕を通してから右腕を通すということが出来ないんですね。

仮縫い、中縫いで入念にチェックしただけあって完璧。

これぞビスポークならではといった感じですね。

 

合わせて読みたい。

オーダーから中縫いまでの過程をご覧になりたい方は以下の記事をご覧ください。

仮縫いや中縫いの写真は必見ですよ。

COL(コルウ)でビスポーク(フルオーダー)!究極の1着に?@前編 - 1978 -アラフォーからの一生モノ探しー

COL(コルウ)でビスポーク(フルオーダー)!究極の1着に?@仮縫い編 - 1978 -アラフォーからの一生モノ探しー

COL(コルウ)でビスポーク(フルオーダー)!究極の1着に?@中縫い編 - 1978 -アラフォーからの一生モノ探しー

 

まとめ。

いかがだったでしょうか。

今回は神戸にある名店COL(コルウ)でビスポークしたというお話しでした。

コルウのビスポークスーツは1人の職人がすべての工程を手縫いで仕上げる「丸縫い」で仕立てられます。

とても手間暇かけて仕立てられたスーツは素晴らしいものとなりました。

携わられた全ての方に心から感謝を申し上げます。

 

さて、今回のスーツのお値段ですが 397,000円(税込) となります。

スーツ1着のお値段と考えれば高いと感じるかもしれません。しかし職人が「丸縫い」で仕立てられるのは月に2、3着と何かで読んだことがあります。

生地代は自分で支払っているにしても、それ以外の副資材はお店持ちであることも考えるとこの金額は妥当か、やや安いくらいなのではないかと思ってしまいます。

もちろん稼ぎが良いわけではないので何度も何度も出来ることではありませんが(笑)

 

スーツが好きでいずれはビスポークをしたい。

ビスポークは経験あるけどコルウでもやってみたい。

1人でも参考になる方がいれば幸いです。

 

今回は以上です。ありがとうございました。