今回はファッションブロガーとして読んできた本から本当におすすめなものを2つご紹介。これだけ読めば絶対大丈夫‥かはわかりませんが読む価値はありますよ。
ファッションで本といえばまず雑誌を思い浮かべると思います。
最新トレンド!みたいなものは確かにそうですが、読み終わったらだいたいゴミですよね。1年前に買った雑誌の内容を覚えている人はあまりいないと思います。
しかし本ならどうでしょうか。
落合正勝氏の書いた本が有名ですが、斉藤さん。は読んでて面白くないので好きではありません。今回は読んで面白い、そして勉強になる本をご紹介します。
まぁ面白かどうかは主観となりますので興味がある方だけどうぞ。
究極のお洒落はメイド・イン・ジャパンの服
筆者である片瀬平太氏は25年間服飾記者として国内外で多数取材をしてきた方で、漫画『王様の仕立屋』の原案協力・監修も務めています。
そんな筆者が社会人となる息子への最後の『はなむけ』としてスーツ一式を贈る、そう思ったときに何を贈るのがベストなのかわからなかった‥というところから始まります。
なんとなく購入して安易に使い捨てる社会人にはなってもらいたくない、でもこれから社会人になる息子が継続して購入できるような服や靴って?どんな価格帯で、どんな品質のものが『良品』なのか?
それを突き詰めた結果がメイドインジャパンだったというお話しです。
kindle版があるのが嬉しいですね。近年電子書籍が当たり前ですが、本は極力kindleで購入するようにするとスペースを取らないのでおすすめです。
衝撃のメイドインジャパン
輸入浸透率という初めて知った単語なんのですが、1991年に51.8%だったものが2016年には97.3%になったそうです。国内の服はほとんど輸入品でメイドインジャパンは2.7%しかないって衝撃以外の何物でもない。
これでいいの?って思いますよね。今ある良いものが子供や孫の世代に残ってない、そんな世の中になって欲しい人はいないのではないでしょうか。
「親父の世代は、爺ちゃんの世代はいいよなー。俺らの世代にはそんなのないよ」とか言われる世の中になるのかもしれません。
何に共感したのか?
僭越ながら考え方が非常に近いというか、頷く部分がとても多かったです。
そんな中で一番共感したのは「自分の息子になんとなく購入したものを安易に使い捨てる社会人になってもらいなくない」という気持ち。
現在子供は高校生になり、「どうしようもないな」って思うこともありますが、きっと自分の親もそうだったのでしょう。親って勝手なものですよね。
自分が若いときはモード服をメンテナンスもせずに着て適当に捨ててきましたから。でもそんな自分が嫌だから子供にはして欲しくないと思ってしまう。
斉藤さん。も子供がが社会人になるとなったらやっぱりスーツ一式か、またはブレザーを贈るような気がします。送り出すのに相応しいと思うので。
内容が面白い。
- そもそもお洒落ってなんだろう
- 流行とはどう付き合うか?
- 自分だけ流行を超えるには
- ブランドどいう呪縛
- ワードローブの軸
- 見た目はあなたの査証である
- ネクタイは相手へのサイン
これはいずれも本にある見出しです。読んでみたくなりませんか?
どの内容も芯があって読み手に響く内容になっていると感じました。
ファッションはルールがあってそこを守れば絶対に間違いがないんです。そのルールこそがトラッドとかクラシックと言われているもので、歴史と文化がバックボーンになって育まれたものですね。
また本書では200ページというボリュームに対して僅か6つのブランドしか紹介していません。残念ながらもうなくなってしまったブランドがありますが、それらが惜しくなります。良くあるただのアイテム紹介本ではなく、ちゃんと取材をして作り手の思いを伝え、アイテムも何が良いのかをしっかりレビューしており読み応えのある内容となっています。
男の粋を極める 装い歳時記
師匠である赤峰先生の本だから忖度とかでは全くありません。
そもそもこの本との出会いはAmazonが勧めてきたからで、赤峰先生から紹介されたわけではありません。読み終えて赤峰先生に「こんないい本あるならもっと早く教えてくださいよ」って言ったくらい。
メンズスタイルの基本が書かれた本で、10年前、20年前の自分に読ませたい。
失敗を糧にいろいろ勉強してようやくマシになってきましたが、この本を読んでいたらもっと早い段階で今のレベルには辿り着いていました。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」って言葉通りですね。
おすすめの人とおすすめしない人。
この本をおすすめしたい人と、おすすめしない人がおります。
おすすめする方=文字から具体的なイメージをすることが出来る方
おすすめしない方=文字からイメージできない方
これだけです。
メンズスタイルを学ぶことが出来る本ですが、写真が載っているわけではないので本に書かれている文字から具体的なイメージができないと意味が薄いかもしれません。
逆に文字を読んでイメージできるなら1日でも早く読んだ方が良い。正直、これを読んでいたらもっと早い段階で『マシ』なスタイルになっていたと思います。
四季ごとにまとめるという英断
この本の何がいいって、大きな章が四季ごとになっているということ。
秋ならブラウンについて、春ならグリーン、冬ならフランネルやツイードについてと書かれています。季節の変わり目にその章を読み直すのもいい。今でも季節ごとに読み直しますね。
どれもわかりやすく、細かい章ごとに軽妙な語り口で書かれていて読みやすい。頭にスッと入ってきてスタイルがイメージしやすいんですよね。ブロガーとしてこういう文章を書ければいいのになぁと思った次第。
あととにかく具体的です。
クラシックの基本についてや、サイズ感、Vゾーン、服を選ぶ基準について等々具体的に書かれています。ぼかしたりとかそういう部分がない。赤峰先生らしいなって思いますね。
魅惑のキーワードから察してください。
- クラシックなスーツの着こなしとは
- 肌の一部となるようなスーツ地を選ぶ
- ダシの利いた手料理のような服を着る
- ビンテージになる価値のある服を選ぶ
- ジャパニーズ・ジェントルマンの基準
- 茶系コーディネートの奥深さ
- オフにも着たくなるスーツ
- 暑い季節の大人カジュアルはポロシャツで
- 夏の着こなし「基本のキ」
- 生きざまは着こなしにあらわれる
- 男にとってのドレスコードとは
まだまだ他にも魅惑のキーワードがありますが、個人的に特にこれはというものを並べました。これ読みたくなりませんか?
この全てについてズバリこういうことだよ、こういう考え方が正しいよ、ということを教えてくれる本となっています。
スーツとかジャケットが好きだけど良くわからないという方、自分なりのスタイルをなんとなく作ってきた方に是非読んでいただきたい。
1冊読むだけで自分のスタイルが良い方向に変わると思います。
まとめ。
いかがだったでしょうか。
今回はファッションブロガーがおすすめする本を2冊紹介しました。
メンズファッション関係の書籍って適当にブランドや、アイテムを紹介しているだけみたいなものが多いですよね。根拠も良くわからないような。
スーツスタイルや、ジャケットスタイルが良くわかっていなかった頃は、そんな本を購入して真似をしたこともあります。ホントに無駄だったと思う。
今回紹介した本は少なくとも筆者が本気で書いていることが伝わってくると思います。スタイルの考え方、色の使い方、いろいろなことを教えてくれるので誰にでも応用できるようになっていると思います。
未読の方は是非一度読んでみてください。後悔はしないと思います。
今回は以上です。ありがとうございました。