今回はオーダースーツが売れている中で既成スーツはどうなのかという話し。スーツ市場が縮小する中で売れているオーダースーツ。既成はダメなのでしょうか。
日本人ってオーダー信仰があると思うんですよ。
これはスーツに限った話ではなく、シャツや靴といったアイテムも当てはまります。そしてはこれはブランド信仰の次に訪れるステージ。
まぁステージというか、ブランドを追いかけていた人が何かの切っ掛けて脱却してオーダーするようになるといった感じですかね。もちろん全員ではありませんが。
そしてこれが悪いわけでは全くない。
ただ思考として、ブランドの既成よりもオーダーした方がいいものになるって漠然と思っているということ。でも実際はどうなのでしょうか?
既成スーツ vs オーダースーツ
既成スーツの特徴とオーダースーツ‥といっても種類が様々なのでパターンオーダー(イージーオーダー)を比較してみましょう。
■既成スーツ
- 主にマシンメイド(ミシン縫い)
- 出来上がったものをそのまま購入(型紙は万人向けに考えられたもの)
- デザイナーが考えたデザインそのまま
- 多少の補正が可能なこともある(ツキ皺取り等)
■パターンオーダー(イージーオーダー・メイドトゥメジャー・スミズーラ)
- 主にマシンメイド(ミシン縫い)
- ベースとなる型紙から身体に合うものを選び、それを補正し型紙を作る
- 生地やディティールを選んだり、既製スーツと比べてできることが多いが型紙を大きく変えるような変更は出来ない
だいたいこんな感じの違いがあると思います。
パターンオーダーの方が体に合わせた補正が出来ると思っていただければいいと思います。一方で既成の場合はデザイナーが意図したデザインというのが特徴。
オーダースーツが良い?既成スーツはダメ?
まず、既成スーツやパターンオーダースーツのクオリティを比較してもあまり意味がありません。クオリティとは別の話しだと思ってください。例えば20万円の既成スーツと5万円のパターンオーダースーツを比較して、パターンオーダースーツの方がクオリティが高いなんてことはまずありません。
わかりやすい例を挙げると、世界一ともいわれる「リヴェラーノ&リヴェラーノ」は本店に既成のスーツやジャケットが置いてあります。何気なく手に取ったジャケットの価格は130万円くらいでした。本店でのオーダー(ビスポーク)は80万円くらいから出来たので、場合によっては既成の方が高いということになります。
リヴェラーノの場合、既成もビスポークもクオリティが変わらない、そして既成のジャケットに使われている生地が上質だったのだと思います。
つまり既成だからといって必ずしもオーダーに劣るというわけではないということ。
さらにパターンオーダーも補正が出来ると言っても結局は型紙が体にあってないと全然ダメということがあります。逆に既成スーツの型紙がバッチリ体に合うということも。
必ずしもオーダースーツが上、既成スーツが下とはいえないということですね。
どちらがおすすめなのか?
コストパフォーマンスを求めるなら、一番おすすめの方法は既成スーツを試着しまくること。ブランドによって全然違うので自分に合うものが見つかる可能性があります。リングヂャケットあたりに試しに行ってみると面白いと思います。もっともコストパフォーマンスが高いかと言われると‥難しいところですが経験は積めます。
次に信頼できる人のところでオーダーする。斉藤さん。がおすすめするのはAkamineRoyalLineやDORSO、COLになります。あとは周囲のスーツが好きな人におすすめを聞いてみてもいいでしょう。
最後はご自分の勘とセンスを信じて初見のオーダー店をの門を叩く。これはちょっと運が必要になりますが、運が悪くてもだいたい良い感じにはなると思います。ベストにはならなくても悪くはない、そんな感じになるかと思います。
まとめ。
いかがだったでしょうか。
今回は既成スーツ vs オーダースーツという比較をしてみました。結論としては一長一短なのでどちらが正解とはいえないということ。
実はここにビスポークを入れても同じことがいえます。もちろんクオリティ、着心地ともにビスポークに優位性があるものの、価格的に大きな違いがありますから。
やはりご自身が何を求めているのか。ブランドの既成スーツにあるような特徴なデザインなのか、それとも自分の体に合う着心地なのか。着心地だって既成スーツの方が合うかもしれません。服は着てなんぼ。
ご自分が後悔しない、そして着てテンションが上がる1着を選ぶようにしてください。
今回は以上です。ありがとうございました。