1978 -アラフォーからの一生モノ探しー

アラフォーのオッサンが自分のスタイルを探し続けるブログ。

老いを味方にする──年齢と装いについて考える

赤峰先生の動画を改めて拝見して、あらためて「年齢と装い」の関係について書きたくなりました。当たり前のことだけど、誰もはっきり言わないですよね。

 

ファッションは、流行を追うだけのものではありません。
時間とともに変わっていく自分自身と向き合うことも、装いの大切な楽しみのひとつだと思います。

それなのに、この「年齢と服の関係」は意外と語られることが少なく、どこか曖昧なまま扱われているように感じます。

今回はそんなことを、少しゆっくり考えてみたいと思います。

 

 

若作りが痛く見えてしまう理由

「若作り」という言葉は、あまり良い意味では使われません。
中年の人が若者と同じような服装をしていて、どこか無理をしているように見えるときに使われることが多い言葉です。

では、なぜ若作りは痛く見えてしまうのでしょうか。
私は、若い服を着ていることそのものが原因ではないと思っています。
むしろ、「今の自分」と「若い頃の自分」の間に生まれたズレに気づかないこと。
それが違和感として表れるのではないでしょうか。

 

自分を客観視できなくなる瞬間

 

服が好きな人ほど、若い頃の感覚を引きずりやすいものです。
これは自分自身の経験でもあります。
だいぶ前の話しですが、鏡に映った自分を見て、「あれ、なんだか若作りに見えるな」と感じた瞬間がありました。

それまで何気なく着ていた服なのに、以前とはまったく違って見えたんです。
その違和感がきっかけとなって、私は少しずつクラシックスタイルへ移行していきました。これは何度かブログでも書いてきた通りです。

思い返せば、ショップ店員にも似たような印象を受けたことがあります。
40代くらいの方が、若者と同じノリのトレンドファッションをしている姿を見て、正直「少し無理をしているように見えるな」と感じたことがありました。

でも今思えば、その“痛さ”に自分も片足を突っ込んでいたわけです。
人のことは見えても、自分のことは意外と見えないものですね。

 

中年がファッション誌を参考にしづらい理由

 

ファッション誌の多くは、やはりトレンドを発信する媒体です。
もちろん中年世代に向けた雑誌もあります。LEONやSafari、OCEANSなど、素敵なスタイリングを紹介している雑誌はたくさんあります。
ただ、そこに登場するモデルの体型や雰囲気、ライフスタイルをそのまま自分に当てはめるのは、現実には難しいこと。

年齢を重ねれば体型は変わります。
髪も肌も少しずつ変化していきます。
外国人モデルのような恵まれた体格を前提とした着こなしを、そのまま再現しても同じように見えるとは限りません。

だからこそ、中年になるほど「流行」ではなく、「自分に似合う理由」を学ぶことが大切になるのだと思います。
その知識がないまま若い頃と同じ感覚で服を選び続けると、いつの間にか自分でも気づかないズレが生まれてしまいます。

 

年齢を味方にする装いとは

服の似合う・似合わないは、服だけで決まるものではありません。
顔立ち、髪型、肌の質感、体型、身長。
そうした身体全体との調和によって、似合う服は決まっていきます。

つまり、年齢を重ねるほど「似合う服」は自然と変わっていくものなんですよね。
赤峰先生がよくお話しされているように、首から下だけを見ても、本当の意味で似合うかどうかは分かりません。

顔の造形や、その人が持つ雰囲気まで含めて初めて、装いは完成します。
服単体ではなく、「人が着る」ということが何より大切なんだと思います。

 

年齢を重ねるほど似合う素材と色

 

拝見した動画で中でブルーのツイード生地が紹介されていました。
あの生地は若者が着てももちろん格好良いと思います。

でも個人的には、年齢を重ねた方が着たときのほうが、より魅力が引き立つ素材だと感じました。

ツイードには独特の奥行きがあります。
糸の表情や陰影、少しざらりとした質感は、成熟した顔立ちや年齢を重ねた雰囲気と自然によく馴染みます。

ローデングリーンもそうです。
以前ミラノを歩いていたとき、街ではブラックのコートを着ている方が多く見られました。
その中で、ローデンコートを纏ったご老人がいたんです。
その姿が本当に格好良かった。
決して派手ではないのに、深い緑と年齢を重ねた表情が見事に調和していて、若者には出せない魅力がそこにはありました。

クラシックスタイルを好きになった理由のひとつは、まさにここにあります。
若者には若者だけが持つ美しさがあります。
そして中年やご老人には、時間を重ねた人にしか出せない「味」があります。

老いを隠すのではなく、老いを魅力へ変えていける。
クラシックスタイルには、そんな懐の深さがあるように思います。

 

服を着ることを楽しむということ

 

これは本当に大切なことだと思っています。
人はどうしても、見た目から多くのことを受け取ります。
それは良い悪いという話ではなく、社会の中で人と関わる以上、ごく自然に起こることです。

例えば、デートに短パンとサンダルで現れた人が「人間は中身が大切だ」と言ったら、少し違和感を覚えるかもしれません。

黄ばんだシャツにボロボロのスーツで営業に来た人からも、私たちは無意識に何かを感じ取るでしょう。

装いは、他者への礼節でもあります。
同時に、自分自身を丁寧に扱うためのケアでもあると思います。
そして何より、服を楽しむという行為は、日々を楽しむ心と深く繋がっています。

忙しい毎日の中でも、「今日は何を着よう」と少し考える。
お気に入りのジャケットに袖を通して出掛ける。
そんな小さな喜びを持てることは、とても豊かなことです。
ずっと服を楽しめる人生であったなら、それはきっと幸せな人生の一部なのだと思います。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

年齢とファッションの関係は、対立するものではありません。
若さには若さの良さがあり、年齢を重ねた人には、その人だけの魅力があります。
大切なのは、過去の自分にしがみつくことではなく、今の自分を素直に受け入れること。
そして、その変化を楽しみながら、自分に似合う装いを探していくことだと思います。

年齢を重ねることは、失うことばかりではありません。
むしろ似合う素材や色が増え、着こなせる服の深みが増していく。
そんなふうに老いを味方にできたなら、ファッションは人生をより長く楽しめる趣味になるはずです。

 

 

今回は以上です。ありがとうございました。