
今回はDORSOでビスポークしたスーツのご紹介。最高の”夏”スーツ、これを超える夏スーツはない、そんな1着になります。興味がある方はご覧ください。
仕立てたのは2023年。当ブログでオーダー編、仮縫い編、中縫い編、そしてレビューと4回に分けて紹介しましたが今回1本にまとめました。
究極のモヘア。ヴィンテージのスーパーブリオでビスポーク。スーツ好きとして夢の1つが実現したことになります。
オーダー編

DORMEUIL(ドーメル)といえばモヘア。
これには異論がある方もいると思いますが、モヘア混が難しいと言われていた時代にドーメルが生み出したのが傑作「トニック」。ちなみに「トニック」の名前の由来は生地の完成をジントニックで乾杯したからというのは有名な話し。
そして「トニック」と双璧を成すのが今回オーダーした「スーパーブリオ」。
スーパーブリオはトニックと比べてライトウェイトで夏向けの生地となっています。
スーパーブリオの魅力
すでにヴィンテージのトニックで仕立てたスーツを2着所有しています。どちらも素晴らしいスーツなのですが、しっかりした生地なだけあって”春夏”というよりは”春秋”といったスーツ。夏に着るに着るにはかなり暑く、我慢が必要です。
昔からヴィンテージのスーパーブリオがあればな、なんて思っていた時に齋藤力氏に「なんか気になる生地とかあれば探しますよ」と言われ、ヴィンテージのスーパーブリオの話しをしたら「僕持ってますよ」となったわけです。嘘みたいな本当の話し。
そして何故ヴィンテージなのか?
これは好みといえば好みの問題。トニックもそうですが、今のスーパーブリオがダメというわけではありません。ただヴィンテージの方が空気を含んだ触感というか。低速の織機で織っていた時代ならではの味があるというか。
しかも一番欲しいと思っていたミディアムグレー。運命的な生地との出会いでした。
ディティールはシンプルに
DORSOといえば裾まで大胆にダーツをとるのがハウススタイル。しかし、それだと「やり過ぎになりそうだな」と思っていたところ同じことを齋藤力氏も思っていたようで、それはなしとなりました。同じ理由でマニカカミーチャにもしません。
結局スリーピースにすることだけ決め、細かいディティールとか味付けは齋藤力氏に全てお任せしました。
仮縫い編

ビスポークといえば仮縫い。スーツ好きは憧れたりもしますよね。
でもDORSOの場合、最初の1着は「仮縫い無料」ですのでMTMでも仮縫いが付いてきます。これは本当に凄いこと。
齋藤力氏曰く「仮縫いから変更しないことがない」とのことなので、パターンオーダーであっても少なからず意味があるようです。
さて、仮縫いで齋藤力氏から確認されたのは「着丈」と「フロントカット」について。着丈を少し短めにするか、そしてフロントカットの開きをもう少し大きくするか。
悩むところですね。当たり前ですが、着丈を短くしてどうなるか、フロントカットの開きを大きくしてどうなるかはイメージするしかない。だから面白いのですが。
結果、現状十分良いスーツになりそうなのでそのままにしました。
あっ、あとラペル幅も確認されました。現状で9.5㎝とのことで、これはそのまま。シングルブレストの場合、9.5㎝~10㎝が斉藤さん。の好み。これはいつも気にするところなのでわかりやすかった。

ここからいろいろ手を入れてくるのだと思いますが、この時点でデザインも含めてだいぶ良い感じだと感じました。
そういえば何故ポロシャツかと思われそうですが、こちらは意図的です。スーパーブリオを一番多く着るシチュエーションがポロシャツだと思っています。夏ですからね。そのためポロシャツを着て行きました。中縫いでシャツを着ます。
中縫い編

仮縫いとか中縫いって、自分のスーツはもちろん、他人のものであってもワクワクします。これはおそらく普段見ることのない「途中経過」を見ているからなのでしょう。

仮縫いの時点で期待値がとても高まっていたのですが、そこからの修正でさらに高まってきました。仮縫いではなかったラペルが付いたりよりスーツに近づいたというか、仕上がりへのイメージが掴みやすくなりました。
美しい光沢、そして軽さ。
自分でいうのもなんですが惚れ惚れしますね。
ベストの腋が少し余っていたのでそこをその場で修正したのですが、もともと職人なだけあってさすがの手際でした。素人目には腋の部分が余ってるなんて思わなかったのですが、修正すると素人目にも違いがわかったのが凄いなと感心しました。

袖を取り合ずして肩のあたりを確認。スーツ
少し当たる感じというか、わずかに窮屈な感じがあり、齋藤力氏も同じ意見だったので修正いただくことになりました。
難しいですね。トニックと比べて柔らかいとはいえ、モヘアなのでちょと硬い。硬い生地ですが着込んで馴染んでくると多少なりとも着心地って変わってくると思います。特にビスポークなのでそうなる可能性が高い。必要なのかどうなのか、判断の難しさを感じました。ただ迷ったらプロの意見を素直に聞くのが良いのだと思います。
DOSROのビスポークスーツをレビュー!

ミディアムグレーのスーパーブリオ。モヘアらしい美しい光沢です。
いろいろな画像をご覧いただきますが光の当て具合で全然違う顔になりますね。あとは齋藤力氏がこだわっているラペル(下襟)が美しい。直線ではなく微妙にカーブしながらロールしているんですよ。
また、齋藤力氏がビスポークスーツはトルソーに着せても映えないと言っていましたが、トルソーはまだマシでハンガーに着せると本当に映えません。これがビスポークスーツらしくて面白いなと。どうやってもカッコよく見えないからむしろ面白く感じるくらいです。


ハンガーにかけるとご覧の有様です。
後姿なんてギャザーでも入っているのかなってくらいシワがありますが、これが着た時にはカッコよく美しい背中を生むのだから面白い。
襟の雰囲気

襟幅が10.5㎝くらい。ビスポークなので人によって変わる部分ですが、斉藤さん。の身長や体型、そして顔のサイズ的にちょうどいいのではないかと。
所有しているジャケットと比較するとゴージラインは高くもなく低くもなくといった感じでしょうか。
フロントダーツ

DOSROといえば裾まで大胆にダーツをとるのがハウススタイルですが、今回それはしておりません。オーダー時に齋藤力氏と相談した結果やめておきましょうと意見が一致したものです。
これは好みの部分ではあると思います。ただ個人的には生地が生地なので特徴を無くした方が映えるかなと思った次第です。
ベスト

最後の最後まで付けるか悩んだベスト。
シングルでノーカラーというデザイン的には極めてオーソドックスなもの。ダブルにするとかいろいろ考えたものの、ただでさえオーラがあるのでそれは止めた方がいいかなと。ただやっぱりベストはいらなかったかも(笑)
トラウザーズ

ちょうどいいトラウザーズ。こういうのが良いの。
太くもなく細くもない、ワンプリーツのサイドアジャスター。もちろんウエスマンが極端に太いということもない。
シルエットも美しいし完璧です。

ビスポークということでボタンフライでお願いしました。
正直、ボタンフライよりもジップフライ(チャック)のほうが楽なのですが、手縫いならではの部分を味わえるのはボタンフライの方。そのためビスポークの場合はジップフライを選ぶようにしています。
もちろんサイドアジャスター用のボタンも付けて貰っています。
着用して美しいビスポークスーツ。

ご覧ください。この美しい背中を。
スーツはやはり後ろ姿が美しくないと。ため息が出るほど美しい。
文句なく最高です。

まずはツーピースで着用するとこんな感じ。
良い意味で想像を超えてきました。それくらい気に入りました。着心地はもちろん素晴らしい。ほどほどの手縫い感、極端に主張をしないアンダーステートメントなデザイン。あとは何といっても生地の良さですね。
ヴィンテージのトニックも所有していて、そちらも素晴らしいですがトニックはまたちょっと違う良さがありますね。何よりトニックよりも軽い。それでいて張りとコシがしっかりとあってしなやか。光沢も美しい。
ただやっぱりモヘアなので硬い。トニックと硬さはあまり変わらないと思います。
どれくらい着込んだら硬さが取れて来るのか楽しみ。

スリーピースで着るとこんな感じ。
どうしてもオーラというか威圧感がありますね。おそらく結婚式でもないとスリーピースで着る機会はないんじゃないかと思います。
あとツーピースでの着用よりもとベストを着ている分肩回りが硬く感じました。
やはり基本はジャケット+トラウザーズ、またはベスト+トラウザーズのツーピースが基本になると思います。
別途着こなしはやるのでそちらでタイドアップしたスタイルなんかもご紹介します。
まとめ。
いかがだったでしょうか。
今回はDORSOでビスポークしたスーパーブリオのスーツをレビューしました。
とうとう出来上がりました。昨年から生地を押さえていてもらっていたので足掛け1年以上。オーダーに伺ったとこからでも5か月ほど。
最高の”夏”スーツが出来上がりました。おそらくこのスーツを超える夏スーツに出会うことはないと思います。それくらいの逸品。
ちなみに気になるお値段は‥税込で60万円強となっております。
もちろんお高いですが、満足度を考えると高くは感じていません。着心地、デザイン、生地、本当に最高のスーツになりました。
近いうちに着こなしをやりますのでそちらも是非ご覧ください。
グレー無地のスーツと聞くと「普通」「つまらない」と思う人がいてもおかしくないのですが、このスーツをそう思う人はいないでしょう。
お楽しみに。
今回は以上です。ありがとうございました。