近年ラグジュアリーということばをよく聞きますよね。ラグジュアリーブランドとか、ラグスポとか。今回はそんなラグジュアリーと質実剛健、モノの価値について考えてみます。
ラグジュアリーブランドのものを身に着けたい、ラグジュアリーな生活をしたい。
ラグジュアリー×スポーツでラグスポなんて言葉も。
ファッション業界において、「ラグジュアリー」という言葉が大きなキーワードになってだいぶ経ちました。
一方で日本人的な価値観からすると、ややもすれば軽薄な感もあり、師である赤峰先生は「ラグジュアリーなんて言葉は嫌いだ」と仰っています。
今回は改めて「ラグジュアリー」という言葉・ブランドの定義と、古来からの考えである「質実剛健」をベースにモノの価値を考えてみました。
ラグジュアリーって何だ?
ラグジュアリーとは「贅沢」「豪華」を指す言葉。
そのまま贅沢品とか高級品を表現するときに使います。
それじゃラグジュアリーブランドって何でしょうか。
おそらく「ハイブランド」と同義ですね。
わかりやすいところでは『エルメス』『ルイヴィトン』『カルティエ』等々。
アイテムごとにみると時計なら『パテックフィリップ』、靴なら『ジョン・ロブ』といろいろあります。
ここまではだいたいの人が同じ認識でしょう。
でも最近よくわからないブランドがラグジュアリーを名乗ってたり、ストリートとかハイテクなんて言葉とかけ合わせてたりします。
これだとラグジュアリーの本質は「高額」ってことでしょうか。
「贅沢」とか「豪華」を指す言葉なんだから間違いじゃないんじゃないの?
いや、違います。
ラグジュアリーの本質は「ブランド価値+最高の品質」でしょう。
このどちらかが欠けたらラグジュアリーではありません。
だって世間的に認知されていないぽっと出のブランドが「うちはラグジュアリーブランドです」って言っても納得しませんよね。
質実剛健ってなんだ?
質実剛健とは「飾り気がなく、まじめで、強くてたくましいこと」を指す言葉。
シンプルでしっかりした品質の物を表現するときに使います。
日本の言葉ですが考え方としては普遍的だと思います。
ブランドも例えば『AkamineRoyalLine』とか『万双』とかいろいろあると思います。海外にもたくさんあるのではないでしょうか。
先ほどラグジュアリーの本質は「ブランド価値+最高の品質」と述べました。
それでは質実剛健の本質はというと「最高の品質」になると思います。
ラグジュアリーはブランド名が先に来て次に品質。
質実剛健はアイテムの品質ありき。
モノの価値ってなんだろうか?
ラグジュアリーなものが欲しい、それも良いと思います。
逆に品質ありきで質実剛健なものが欲しい、これも良いでしょう。
ただモノの価値はどう考えるべきなのか。
例えばラグジュアリーブランドと同じ品質の物を無名なブランドが作ったら、その価格は数分の1とか10分の1とかになりますよね。
具体的にスーツで例えましょう。
現在の『リヴェラーノ&リヴェラーノ』でスーツをビスポークしたら3桁万円だと聞いたことがあります。名店中の名店、しかもアントニオ・リヴェラーノ氏が高齢ですから好事家はそれでも欲しいものです。
それでは日本の名店と呼ばれるテーラーでビスポークしたらどれくらいでしょうか。
お店にもよりますがだいたい半額もしないで仕立てられるでしょう。
斉藤さん。は今COL(コルウ)でビスポークをお願いしていますが、「丸縫い」という一人の職人が全行程を手縫いで仕上げる縫製でアンダー40万円です。
モノの価値には当然ブランドの価値が含まれます。
それは品質以外の部分です。
この価値をどう考えるのか?それは皆さん次第です。
ただ1つだけ言えるのは「ラグジュアリー」という言葉に騙されないようにしましょう。知らないブランドの時点でそれはラグジュアリーではありません。
ファッション業界に溢れる造語にも気を付けてください。
売るための仕掛けなので。
まとめ。
いかがだったでしょうか。
今回は巷にあふれる「ラグジュアリー」という言葉について考えてみました。
個人的には「ラグジュアリー」という言葉もラグジュアリーブランドも嫌いではありません。むしろ憧れる部分もあります。
ただあまり縁がないのは事実です。お金がないのもそうですが、何よりも惹かれるモノがあまりないんですよね。例えば『リヴェラーノ&リヴェラーノ』と『COL』でどちらでオーダーしたいのか?同じ金額でも『COL』を選びます。
『リヴェラーノ&リヴェラーノ』を否定するわけではなく完全な趣味です。
『ジョン・ロブ』に憧れはあるけれども『Gozovation』でビスポークする方がいいかなって思ってしまう。そんな感じです。
今回は以上です。ありがとうございました。