今回はファッション目線で考える「用の美」と「機能美」について。難しい話しをする気をありません。気楽にご覧いただければ。
難しい話しを誰にでもわかるように伝えられる人って凄いですよね。
斉藤さん。にはそんな能力はありませんが、なるべく簡単に伝えたいと思っています。
今回の題材となる「用の美」とは民藝の創始者である柳宗悦氏の言葉。
少し前にこんな記事を書きましたが今回は続編的な位置づけの内容となっています。
只被ふ為なら美しさ等どうでもいい。
だが美しさは着たい気持ちをそそる。
だから美しさが着物をもっと着物らしくする。
柳宗悦「用と美」1941年
用の美と機能美
用の美と機能美は似ているようで少し違います。
用の美は人が使ってこそ美しい、実用性の中にある美しさを指す言葉。一方で機能美とは無駄のない物に宿る美しさ、それ単体での美しさを指す言葉だと思います。
つまり一番の違いは、人が使ってこそ美しいものと、単体で美しいもの。
この違いはどちらが良いとか悪いとかの話しではありません。
服好きというかファッション目線で見たときにわかりやすいということ、そしてどちらが好きなのかが結構わかれると思ったんですよね。
多くの人はどちらも好きなのですが、よりどちらに惹かれるか問われたらわかれると思います。
ファッション目線での用の美。
こちらは斉藤さん。がビスポークしたスーツ。
見るからに‥美しくないですよね。ビスポークしたスーツやオーダーしたスーツは、いずれもハンガーにかけると美しくない。
「用の美」という言葉を知って一番に思ったのがスーツのこと。
この見栄えしないスーツが着ると全然変わる、つまり人が着ることで初めて美しい姿となります。ご覧ください。
そもそも服は人を似あう似合わないの違いはあれど、着る人を美しく見せるためのもの。つまり「用の美」なわけです。中にはハンガーにかけている状態でも見栄えする服もあるかもしれません。ただハンガーにかけてる状態が一番美しいなんてことはないし、もしあればそれは服としての有り様がおかしいでしょう。
だからこそ服について機能美がなりたつのか?といえばなかなか難しい。
あるとするなら白シャツや白Tといった普遍的なデザインのものになるのかもしれません。ただやはり単体で美しいかといわれると‥うーん。
ファッション目線での機能美。
一番に思いつくのは時計です。
単体で成り立つ美しさ、工芸品としての美しさですね。腕の太さと文字盤のサイズの関係で似合う似合わないはありますが、用の美のような人が使ってこそ美しいというものはないと思います。実際時計が好きな人は眺めてるだけで幸せを感じるという人も。
時計の中には宝石を使って飾り立てた時計、機能美というより装飾美と思われるものがあります。特にレディースの時計に多い印象がありますね。
機能美と装飾美は相反していてるように思われがちですが、個人的には必ずしもそうは思っていません。例えばこちらの時計。
これは機能美?それとも装飾美?
懐中時計の蓋に彫りもをされているから装飾美だ!と思われるかもしれません。逆に時計としてシンプルで美しい機能美だと思われる人もいるでしょう。
こういった時計は主観がとても大きく判断が難しいと思います。個人的には機能美と装飾美が同居しているものだと思っています。
ここまで時計ばかりを挙げてきましたが、あとは靴も機能美に該当すると思います。例を出すことはしませんが、言わんとすることはわかっていただけると思います。
あなたはどっち派?
多くの人はどちらも好き。これは間違いない。
ただ冒頭で書いた通り、どちらにより惹かれるかと問えばわかれると思います。
斉藤さん。は「用の美」派。もちろんどちらも好きです。ただどちらにより惹かれるかと問われると、単体で美しいものより自分が着ることで映えるものの方が好き。
まとめ。
いかがだったでしょうか。
今回は用の美と機能美と題して、ファッション目線で例を挙げてみました。
用の美、機能美、そして装飾美。どれが好きでもいいと思います。今回の記事も深い意味はありません。自身の好みと方向性を把握するためのものです。
そういえば機能性って機能美とは似て非なるものですよね。
両立するものはあると思うのですが、機能性が高いからといって美しいとは限らない。
今回は以上です。ありがとうございました。