今回はRING JACKETでオーダーした春夏用のジャケットをご紹介。ちょっと変化球というか万人受けはしないジャケットですが是非ご覧ください。
リングヂャケットでオーダーした最後のジャケット。
担当だった平峯さんが他店へ異動になってしまったことも、そして近年の値上がり状況もあってオーダーは出来ていません。
ただリングヂャケットのオーダーフェアはスペシャルバンチと、最高峰である「206」がオーダーフェア限定でオーダーが可能なるの魅力ですね。過去にオーダーしたのも全て206ライン。着心地はもちろん、やっぱり手縫いならではの「味」が楽しめるんですよね。もちろん高額ではありますが(笑)
オーダーフェアで「206」をオーダー!
リングヂャケットのオーダーフェアといえば、この期間中しか見ることのできない生地がつまった”スペシャルバンチ”でしょう。
エスコリアルだったりSUPER 170'sといった生地もありますが、この日タイミングで多かったのはカルロバルベラ。デッドストックを集めてきたと言っていました。
あとはフェルラも多かったですね。ザ・貴族用といって感じの生地が多かった(笑)
耐久性とか度外視したサマーカシミヤの生地とか、肌触りは素晴らしいと思いました。絶対に買いませんが。あれで電車には乗れません(笑)
既成も含めて悩んだ結果、最終選考に残ったのは上の2つの生地。左はいわゆるソラーロ、右はネップの入った混紡生地。
他にはドラッパーズも面白い生地がありましたね。4プライはまだわかりますが、6プライの春夏生地があるとは‥面白いですね。当然お値段も凄いことになっていましたが。
悩んだ末に選んだのはカルロバルベラのネップが入った淡いグリーンの混紡生地。
春夏らしいウール×シルク×リネンの三者混。もちろんジャケット用。裏地とか、袖口の生地、ボタンも画像の通り。
グリーンよりもグレーっぽく見てるかもしれませんが、上品な淡いグリーンといった生地で、そこにオレンジとかのネップが小さく入っています。
当時選んだ理由はワードローブとの兼ね合い。ベージュのソラーロも素晴らしいのですが、ワードローブにブラウン系が多すぎるんですよね。そのためグリーン系にしたのですが、このネップが入った生地というのが好きというのもあります。
生地を選んだら採寸してオーダーは終了。
仮縫い&試着
写真だとライトグレーといった雰囲気ですが、実物はグレーグリーンのような色味というかもっとグリーンです。オレンジのネップが細かく入っているのですがこちらはなかなか伝わらないですね。
人を選ぶジャケットだと思いますので万人受けはしません。変化球なのでワードローブがある程度揃ってから手を出すようなジャケットですね。白髪な斉藤さん。はこういう淡い色、悪く言えば中途半端な色が似合うと考えています。
多少色味が出ましたがまだちょっと違いますね。試着して月皺(つきじわ)がほんの少し出ていること、袖が気持ち長いので修正してもらうことになりました。
何度もオーダーしてるのに何で月皺が出るの?と思われるかもしれませんが、やはり生地によって違うのでそこは仕方がないのかなと。
斉藤さん。と同じような「いかり肩」の人は、ジャケットを試着した際に必ず月皺が出ていないか確認しましょう。これはとても重要で、セレクトショップだと店員が月皺を知らないことがあります。
そしてビックリなのは安価なオーダー店でも、試着時に確認したら知らないということがありました。知ってる店員に代わってもらいました。嘘のような本当の話し。
リングヂャケット206フルオーダージャケットを徹底レビュー。
淡いグリーンというか、グレーグリーンというかそんな感じの色味です。
生地はカルロバルベラのデッドストックでウール40%×シルク30%×リネン30%という春夏らしい混紡生地。生地でここのブランドが好きというのはあまりないのですが、バルベラはかなり好きなのだと思います。「これいいな」って思ったスーツやジャケットの生地にバルベラが多い。
残念ながらバルベラは身売りしてしまいましたし、環境問題で移転したという話しを聞きました。移転前のビエラの清流をふんだんに使って編まれた生地は、今後貴重になってくるかもしれません。
ジャケットなので2パッチポケットにしました。ポケットは結構悩みますが、基本的にカジュアルなジャケットならパッチポケットを選ぶことが多いです。
襟&襟裏
襟型は当時のリングヂャケットの新型になります。
ゴージラインが少し下がってカーブしていますね。手持ちで一番近いのはアカミネロイヤルラインでしょうか。かなり印象が違います。
ラペル幅は10㎝くらい。基本が8㎝とか8.5㎝なのでやや広めのラペル幅‥なのですが昨今はこれくらいの幅が基本になっていますね。個人的にもこれくらい(9.5㎝/10㎝)の幅が一番好き。8㎝とか8.5㎝だと細いと感じます。
人種的な問題があるのかも?って最近考えています。顔が小さければ8㎝、8.5㎝でも似合うと思うのですが。
これからスーツやジャケットをオーダーしたいと考えている方は、事前にいろいろ試着して比較した方がいいですよ。全然雰囲気が変わってくるので。
襟裏の雰囲気はこんな感じ。
襟ヒゲはしっかりあります。ラペルのフラワーホールは完全に開いています。
本切羽
袖は重ね4つボタンで本切羽です。
リングヂャケットでオーダーした場合はいつもこれですね。手縫いのボタンホールの雰囲気も良いですよね。ボタンの色とも会っています。
このボタンとボタンホールとの組み合わせが今回一番気に入ったかもしれません。このボタンを選んだ自分に拍手したい。
リングヂャケットの本切羽は外しやすく留めやすい。
ボタンの位置が高いためか、ボタンホールのサイズ感がいいのか。それとも両方なのか。あんまり意識しないところですが、いろいろなジャケットで試しましたが、ここはリングヂャケットが一番外しやすく留めやすかったですね。
ボタン&生地感
ボタンは本切羽のところでもお見せしましたが、ベージュの水牛ボタンです。
貝ボタンとも悩みましたがやっぱりこっちで良かった。
そして生地ですがいろいろネップが入っているのが伝わりますかね?
あまり主張しないのですが、オレンジとかブルーが入っています。この辺の色を拾って装いを組み立てると面白いですよね。オレンジのネクタイとかマフラー、ポケットチーフとか挿すと良いと思うんですよ。
裏地
今回は初となる「背抜き」です。
いつも「総裏」でお願いしていましたが、このジャケットについては「背抜き」かなと。軽い雰囲気に仕立てたかったので、そうなると「総裏」じゃなくて「背抜き」になりますよね。
裏地はボタンに合わせてベージュにしましたが、これも良い感じになったので良かったです。
マニカカミーチャな肩
リングヂャケットらしい肩の雰囲気。
通常のリングヂャケット、リングヂャケットマイスター、リングヂャケットマイスター206でいせ込み量が違うと聞いたことがあります。ちなみにマニカカミーチャが好きとか、そういうこだわりはありません。
オーダージャケットを使ったコーディネート紹介。
春夏のジャケットですが特に春に映える色だと思います。
実際冬が終わって暖かくなってくると着たくなります。グレーやネイビーといったベーシックカラーは大事ですが、こういう変化球的なカラーのジャケットは着ていて楽しい。
シャツはホワイトもいいのですがベージュやグリーンを着ることが多いですね。タイドアップしてもいいししなくても良い。ネップの色を拾ったネクタイやポロシャツを着ることもあります。ネップが細かいので近くから見ないとわからないのですがコーディネートするのが楽しいですね。
まとめ。
いかがだったでしょうか。
今回はリングヂャケットオーダーフェアでオーダーしたジャケットをご紹介しました。当時はまだ206でオーダー出来ましたが今の価格だと難しいかもしれません。
当時の価格で 275,000円(税込) でした。
やっぱり真面目に仕立てられた服は安くありません。リングヂャケットだけじゃなく、アカミネロイヤルラインやCOL,DORSOもそうですよね。ただそれだけの価値はあると思うからオーダーするし、こんなブログをやっています。
もし興味を持たれた方がいたらリングヂャケットの店舗に行って試着をおすすめします。面白い生地のスーツやジャケットもあるので楽しいですよ。
今回は以上です。ありがとうございました。