今回はスーツをビスポークしにいってきたという話し。全4回を予定していて初回は「オーダー編」となります。何故この生地でオーダーしたのか、そしてその生地の魅力について語ってみたいと思います。
DORSOで2着目となるスーツをオーダーしてきました。
今回はビスポーク。実はこれ、既成路線というか、1着目のオーダー時点で決まっていました。
以下の記事が最初のオーダーですが、この記事の時点で今回オーダーする生地がチラッと登場しています。
新進気鋭!DORSO(ドルソ)でスーツをオーダー! - 1978 -アラフォーからの一生モノ探しー
どちらを先にするかという話しで、齋藤力氏が「最初は是非MTM(パターンオーダー)を試してほしい」ということで1着目がゴールデンベールになりました。
それはそれで素晴らしいスーツに仕上がって、今後も秋冬の1軍として活躍してくれるでしょう。
ただ今回は確実にそれを超えるというかある意味”上がり”のスーツ。究極の夏スーツになるのではないかと思っています。
ヴィンテージのスーパーブリオという贅沢。
DORMEUIL(ドーメル)といえばモヘア。
これには異論がある方もいると思いますが、モヘア混が難しいと言われていた時代にドーメルが生み出したのが傑作「トニック」。ちなみに「トニック」の名前の由来は生地の完成をジントニックで乾杯したからというのは有名な話し。
そして「トニック」と双璧を成すのが今回オーダーした「スーパーブリオ」。
スーパーブリオはトニックと比べてライトウェイトで夏向けの生地となっています。
斉藤さん。はすでにヴィンテージのトニックで仕立てたスーツを2着所有しています。
どちらも素晴らしいスーツなのですが、しっかりした生地なだけあって”春夏”というよりは”春秋”といったスーツ。夏に着るには我慢が必要です。
昔からヴィンテージのスーパーブリオがあればな、なんて思っていた時に齋藤力氏に「なんか気になる生地とかあれば探しますよ」と言われ、ヴィンテージのスーパーブリオの話しをしたら「僕持ってますよ」となったわけです。
嘘みたいな本当の話し。
何故ヴィンテージなのか?
これは好みといえば好みの問題。トニックもそうですが、今のスーパーブリオがダメというわけではありません。ただヴィンテージの方が空気を含んだ触感というか。低速の織機で織っていた時代ならではなの味があるというか。
しかも一番欲しいと思っていたミディアムグレー。運命的な生地との出会いでした。
究極の夏スーツはシンプルに。
モヘアの生地はとにかく光沢があるので、奇をてらうと一気にやり過ぎな感じになると思うんですよね。
DORSOといえば裾まで大胆にダーツをとるのがハウススタイルですが、それだとやり過ぎになるよなぁなんて思っていたら、同じことを齋藤力氏も思っていたようで、それはなしとなりました。同じ理由でマニカカミーチャにもしません。
あと、こちらで悩んでいたスリーピース問題。
スーパーブリオでビスポーク!?ツーピースかスリーピースか。 - 1978 -アラフォーからの一生モノ探しー
結論としてはスリーピースにしました。
正直、スリーピースでの運用は考えにくいのですが、ジャケットなしのジレ+トラウザーズはありえるかなと。ただ結局そういう細かい計算は関係なく、「欲しいから」というのが理由です。もうこの生地と出会うことはなさそうなので仕立てておけと。それだけです。
細かいディティールとか味付けは齋藤力氏にお任せです。
斉藤さん。の基本的な考え方としてプロに任せるのが一番いいというものがあります。これは本当にプロだと思える方に限りますが。
これからの仮縫い、中縫いでいろいろ見えてくると思いますのでお楽しみに。
齋藤力氏に独立してからの話しを聞いてみた。
ちょこちょこ飲みにいかせていただいています。
酒飲んでいるときの話しを皆さんに聞かせたい。たぶん面白いと思うんですよ(笑)
今回は独立してからどうなのか?を軽く聞いてみました。
以下
斉藤さん。→S
齋藤力氏→R
S:独立してから忙しそうですが楽しいですか?
R:ありがたいことに忙しくさせていただいています。おかげさまで本当に楽しくやらせていただいています。北海道にいったり、九州にいったり、先日は香港にもいかせていただいて、いろいろなお客様とお会いして。僕は服が好きなので本当に楽しいです。
S:上手くいっているようで良かったですね。キャパとかは大丈夫なんですか?
R:キャパは全然大丈夫です。ただ僕が忙しくなるだけなので。
S:でもずっとトランクショーとかで飛び回ってるじゃないですか、家庭は大丈夫なのか心配になりますね。家に帰ったら妻子が実家に帰ってたってならないようにしてくださいね(笑)
R:気を付けます(笑) でも本当に子供には申し訳ないというか。今は日々成長する時期なので本当はもっと一緒にいたいんですけどね。独立してからはずっと追われている感じというか、走り続けないといけないという強迫観念があります。これはずっと続くと思います。
R:斉藤さん。ちょっと聞いてくださいよ。今日は本当に良いことがあって、本当に難しい体型のお客様の最初の納品があったんです。ご夫婦でいらしたんですが、着用して「今までで一番良いスーツ」ってご夫婦揃って仰ってくれたんです。本当に着ていただくまではプレッシャーがあったんですが、その一言で全てが吹き飛んだというか‥本当に嬉しかったんですよ。
S:それは職人冥利に尽きますね。でもこの話は良い話しなのでカットかな(笑)
順調で何よりですね。
まとめ。
いかがだったでしょうか。
今回は究極の夏スーツを仕立てるべく、DORSOでビスポークしてきたという記事でした。これから仮縫い、中縫いを経て夏ごろには出来上がるでしょう。
次は仮縫い編となりますのでお楽しみに。
齋藤力氏に聞いたところいずれニューヨークでトランクショーをやりたいと言ってました。いずれ本当にやるでしょう。香港の話しも聞きましたが本当に良かったようです。
会うと生き生きしていて楽しそう。やっぱり本当に服が好きなんだなぁと思います。
今回は以上です。ありがとうございました。