今回は久しぶりにファッションと環境問題について取り上げたいと思います。題材はカシミヤ。みんな大好きな高級素材ですが実は問題もあるんです。皆様はどう思われるでしょうか?
ファッション業界といえば環境破壊。
そこまでは言い過ぎかもしれませんが、環境によろしくない業種ランキングで2位と言われているのがファッション業界。
ポリエステルの問題や染料の問題、綿花の栽培時に使う農薬や化学肥料。
さらにはファストファッションに伴う労働力の搾取なんかもそう。
数えればまだまだ出てきそうですが、実はカシミヤも問題がある繊維なのはご存じでしょうか。
今回はカシミヤの問題にスポットを当ててみたいと思います。
高級繊維の王様”カシミヤ”の問題。
カシミヤといえばカシミヤ山羊の毛。
カシミヤ100%になれば当然天然繊維です。カシミヤ100%のニットアイテムや、ジャケットは垂涎の的として服好きに愛されています。
そう、愛されたがゆえに環境問題を引き起こしているんですね。
カシミヤといえば高級繊維で簡単に手が届くものではなかった時代も昔、今では安価なものが増えて‥いや増えすぎて一説には偽物が相当するあるとまで言われています。
ただ実際に安いものが増えているのは事実。
これはモンゴルを中心にカシミヤが儲かる、カシミヤ山羊を増やせとなって大幅に増やした結果、安価で手が届きやすくなったということ。
もちろんカシミヤのクオリティは様々で、ハイクオリティのものが希少で高価なのは変わりません。
問題はカシミヤ山羊が増えたことで砂漠化が進んでいること。
山羊は放牧に出すと草を根っこから食べつくしてしまう生き物。そんな山羊が90年代以降、5倍にも増えた結果、草原の砂漠化が進んでしまっているのだとか。
自然というのは良くできているとつくづく実感します。
人間の欲で何かを極端に増やしたり減らしたりすると必ずしっぺ返しがありますね。昔どこかの国で雀が害鳥だといって大量に駆除した結果、イナゴが大発生して大飢饉になったという話しもありますから。
この話はだいぶ前から言われています。
ステラ マッカートニーがカシミアについて考える|STELLA McCARTNEY - Web Magazine OPENERS(ウェブマガジン オウプナーズ)
現在は改善されているのか、それとも悪化しているのか。
もちろん改善に向けて動いているようですので今後がどうなっていくのか。今後どうなっていくのか人の知恵に期待したいですね。
カシミヤとの付き合い方を考える。
SDGsの考えからすれば改善しなければなりません。
もちろん改善に向けて動いているようですが、我々一般消費者がどう向き合うべきなのか。不買をする?それとも全く気にしない?
どちらも極端なように思います。
まずカシミヤという繊維は安易には増やせないものだということ。だからこそ高額な繊維だということを認識する必要があります。
もちろん今後、研究等によって環境にダメージを与えることなく増やすことが出来るかもしれません。しかし現在そうでないのであれば、やはり一定の気をつかう必要はあるのではないでしょうか。
まずは上質なカシミヤのアイテムを購入するということ。カシミヤは高い場所に生息する山羊ほど上質なものになると言われています。過酷な環境であればあるほど極寒から身を守るために上質になります。
こういったカシミヤは高額であるものの、カシミヤ本来のクオリティと魅力を兼ねたものであり、安易に増やすことができないものです。
逆に安価なカシミヤは増やすことを目的としたもので、クオリティに物足りなさが残ります。だったらウールでも十分ではないでしょうか。
そこはよくよく考えていただきたいと思います。ウールにはカシミヤにない魅力があります。希少だから、名前に左右されずに選んでいただきたいと思います。
まとめ。
いかがだったでしょうか。
今回はカシミヤの問題について取り上げてみました。実は結構悩んでいたんですよ。取り上げるべきか、やめておくべきか。
カシミヤ好きって本当に多いと思います。いや、むしろ嫌いな人なんていないでしょう。そういう人に向けて水を差すような真似をするのもどうかなと。
ただやはり服好きであるなら環境問題は頭の片隅に置いておくべきだと思うんですよ。別に安いカシミヤを買うなというわけではありません。否定なんてする気はありません。ただこういう問題があること、そして砂漠化した結果、日本にPM2.5のような形で問題が返ってきます。
自然って本当に凄いですよね。回りまわって返ってくるのだから。
この記事の内容を頭の片隅の置いていただければと思います。
今回は以上です。ありがとうございました。